回転半径を得るために

 回転半径を得るために」ではハンマーを遠くに投げるために大切なことは回転半径であると前に述べた。回転半径を大きくするための張りを作るのはスイングからターンに移る場面でしか作ることができないことも述べた。今回の「スイング」では張りを作るためにどのようにスイングをすればよいかを述べていきたい。
 小さいころ野球に初めて接した時のことを覚えているであろうか。私が最初に驚いたのは「なんで空中に浮いている球をバットで打つことができるのだろうか」ということである。もちろんこのことを表現する語彙でさえ持っていなかった頃であるから感覚的にそう思ったのであろう。やさしいお兄さんたちは「小さい子はゴロを打てばいいよ」と言って地面に転がした球を打たせてくれた。これならば必ずボールにバットを当てることができるし、足の速い子は一塁でセーフになることもあるのだ。よく考えてみるとこれは優れたルールだと思う。三次元のものを二次元にするのだからボールをバットに当てるのは容易になるし、次にどう当てれば前に転がるか考える余裕も出てくる。ハンマーのスイングで難しいのはハンマーが体の後ろを回るときに腕を素早く曲げて顔の前を通すことや、体の前方に来たときに腕をリラックスして胸椎で支えることである。ハンマーを地面に転がすことで前記の二つをするための心の余裕が持てるという訳である。
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 体の右後方にハンマーを置いて構え、右前方に転がす。(1〜5)
その時に腕の力だけでなく、重心を右から左(3〜5)に移動させると楽に転がることを体で覚える。その勢いのまま両腕を素早く顔の前を通過させ、ハンマーを体の真後ろに落とす。それを連続して行うことで体をどう動かせばハンマーが動くのかを覚えることができる。ハンマーをどう動かすのではなくて体をどう動かすかが大切である。この動きがうまくなってきたらハンマーが転がる所に砂を撒いておくと更に効果が上がる。
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